第7章≪Do≫伝える舞台のあり方「講演本番」編

 2-7 「Q&A留意点10カ条」の続きは?

  ⑥良い質問には、質問自体を評価してから回答する
     これは、州立ワシントン大学で感銘深い体験したことの実践です。ただ直線的に答えるのでは
    なく、答える前にその質問の意義や価値について評価した上で回答することです。
     例えば「・・・という質問は、・・・戦術の効果を高める観点に役立つものでした。ここで補足して
    おきましょう」など意味づけするのです。
    それにより、質問者への感謝なり褒めることになり、回答自体の重み付けにもなりますね。
  ⑦では、悪い質問に対しては?
     状況によりますが、はっきり「悪い質問です」といって良いのではないでしょうか?
    “悪い”とは、その場の趣旨に全くそぐわない質問です。私はこれまで2回経験しました。
     一つ事例を紹介しますと、中小企業診断士の定期研修で、私は『イタリア中小企業の強さの
    秘密』を講演した時でした。
     出された質問:「イタリアにはマフィアがいますが、それを講師はどう思いますか?」
    これに対する私の回答:「今日の論旨と全く無関係ですのでお答えしません」と断りました。
    それで良かったのかどうかは、どうぞ読者のご判断にお任せしますが。