第1章 ≪Roman≫ :理念・立ち位置編
Ⅰ 繁盛の仕組みは理念の中にあった ~
こんにちは。今日から、いよいよ実践録をはじめます。
私の中小企業診断士資格取得当時は、大阪証券取引所に上場するための準備スタッフ5人が
集められ、私は経営企画室の部長職45歳でした。
私は、自力で資格を取ったときから、改めてこの資格の意味や役割や価値を考えました。
というのは、「わが社では、それは業務と何の関係もない」と無視されたのです。
それどころか、経営陣からひそかに「取得を断念してくれ。なぜ? こちらが惨めになるから」とさえ
言われたのです!
ですから手当が若干でも増えるどころか、祝福の一言も、名刺に記入も、取得を社内ニュースとして
告知することもなかったのです。
(因みに、そういう企業姿勢だから、N社創業以来60年、従業員3千人で、同資格取得者は3人に
留まっています。)
ということから、私なりの思い切った心構えを、はっきりさせねばならなくなりました。どのように?
Ⅱ 資格取得当時の自分の理念・立ち位置を決める
1.「中小企業診断士の資格」=合格率が数%の難関資格とはいえ、社会的な認知度は低い。
その名は、“デパートの包装紙”とおなじ。一応期待感は持たれるが、問題はあくまでもその
中身だ。どれほど値打のものかと?!
“開けてみなければ本当の値打は分かってもらえない”ものと覚悟しなければならない。
事実、三次試験の企業診断実習の際、偉そうなことを書き、提言してきたが、実経営の重みや
困難性からすれば、私(たち)の診断・提言など、言葉はきれいだが、魂の入らない、実に観念的で
甘っちょろいものだった。
2.本当に役に立つ中小企業診断士になるためには、生きた学習を積み重ねばならない。
そのために、第3次試験の同期生などを結集して、定期・長期的な相互研鑽の場を創る必要がある。
3.自分の道は、自分で決めねば成らない。この資格を評価し活用してくれる世界にいかねばならない。
4.しかし、資格でメシが食えるわけではない。何の保障もない。誰も応援しない。“得意先”も考え
られない。
5.しかし、リスクを犯してでも、“社会的値打ち”が発揮でき、現在給与の3倍以上を獲得できるように
ならねばならない。そうでなければ、独立退職する意味が無い。
6.決めた。50歳にして立つ。株式上場を成功させてから即行動だ。
・・・というものでした。
担当している経営企画業務を、きちんと果す一方、外で研鑽の場を創る。
その際も、確たるコンセプトを持たねばならないと腹を括ったのです。→(理念・立ち位置編つづく)